自費リハビリとは

退院後のリハビリ、何を利用されていますか?

まずは皆さん、入院中のリハビリを思い出してみましょう。
脳卒中を発症すると、一定期間入院して集中的なリハビリを受けます。
皆さんも、1日2~3時間、週7回リハビリを受けられていたと思います。
入院中は基本的に毎日リハビリが行われ、身体や生活が良くなっていきます。
入院時のリハビリでは、本人様やご家族様が選択肢の中からリハビリメニューを選ぶということはなく、基本的には「病院へ入院しリハビリを受ける」の一択となります。

一方、退院してからのリハビリにはいくつかの選択肢があります。

医療保険を使用した外来、訪問リハビリ
介護保険を使用した訪問リハビリや通所施設でのリハビリ
保険適応外での自費リハビリ
自主トレーニング 
      等々


多くの方は病院などの外来リハビリや訪問リハビリ、もしくはデイケア・デイサービスでリハビリを受けられていると思います。
これらのリハビリは医療保険や介護保険といった公的な保険制度を利用して行われるもので、一般的な選択肢と言えます。


一方で近年ではこのような保険制度を利用したリハビリだけでなく、保険外リハビリ(自費リハビリ)を利用するという選択肢が生まれてきています。
自費リハビリは名前の通り、保険が適用されない、完全に自費のリハビリです。
2015年ごろから普及し、現在は多くの施設が設立されてきています。
運営会社や施設のコンセプトにもよりますが、一般的には「身体や生活の改善」等本人様の希望に沿ってリハビリを進めてくれるケースが多いです。
自費リハビリは、脳卒中等を発症された方々の身体や生活をよくするためのリハビリの質・量を担保することができるため、有効であるといえます。
しかし自費リハビリは保険適用外で行うため、自己負担が大きくなります。高額な費用を支払ってまで自費リハビリを受ける理由があるのか、疑問に感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。
保険適応でのリハビリ、自費でのリハビリ両者ともにメリットとデメリットがあるので、目的や状況に合わせて使い分けることが大切です。

外来リハビリ(保険適応)・訪問看護リハビリ(保険適応)・保険外リハビリのメリット・デメリット

 メリットデメリット
外来リハビリ(保険適応)入院リハビリを担当していた主治医、セラピストからリハビリを受けられる月ごとに利用上限が定められている
費用が安い移動に手間がかかる
訪問リハビリ(保険適応)生活環境でリハビリを受けるので生活が良くなりやすい「生活の維持」が
目標になることが多い
費用が安い月ごとに利用上限が定められている
自宅でリハビリを受けるため外出の手間がかからない 
自費リハビリ  (保険適応外リハビリ)慢性期の方でも身体や生活の改善を期待できる費用が高い
店舗リハor訪問リハもあるため好きなほうを選択できるリハビリのことをよく知らない他業界からの参入もある
外来リハビリ(病院や施設等に出かけていきリハビリを受ける外出型)

外来(外出型)リハビリは医療保険や介護保険を使用して受けるリハビリです。
外来リハビリの最大のメリットは、入院していた病院の外来リハビリであれば主治医やセラピストからリハビリを受けられる可能性があるという点です。
自分の価値観を理解してくれていたり、入院初期からの状況を把握してくれているスタッフにみてもらえるのは安心でしょう。
もし入院担当のセラピストと外来担当のセラピストが違う場面でも、同じ病院や同系列施設にいればセラピスト同士がすぐに連絡を取ることができるため、情報のやり取りがスムーズにいき、入院→外来の連携したリハビリを提供してくれます。
また、保険を使うことができるので本人様の自己負担費用を安く抑えられます。
本来、外来リハビリは20分で2,450円かかります。60分なら7,350円ですが、保険が使えるので自己負担金額は少なくなります。
60分受ける場合、1割負担の人なら735円、2割負担の人なら1,470円、3割負担の人なら2,205円です。
長くリハビリを利用する場合、費用を抑えられる外来リハビリは魅力的な選択肢のひとつと言えます。
一方、外来リハビリには利用上限が定められています。
発症からの期間によりますが、医療保険の場合基本的には月13単位が該当する人が多いです。介護保険の場合では介護度によって上限が異なります。
1単位は20分を意味しますので、医療保険での月13単位というのは「1ヶ月あたり260分」を意味します。
したがって1回あたり40分のリハビリであれば週1~2回、1回あたり60分のリハビリであれば週1回程度しか受けられません。また、1対1の個別リハビリではない場合もあります。
後途しますが、身体や生活の改善を目指す場合、この利用上限が大きな障壁になります。

また、普段からよく外出される方には特に問題に関時ないかもしれませんが、外出の為の着替えや準備、移動の手間等がかかります。
訪問リハビリの場合はご自宅でリハビリを受けられるのでこういった手間や大変さがありません。
訪問リハビリと比べると、外来リハビリの移動は大きなデメリットになります。

訪問リハビリ(ご自宅や入居施設にセラピストが来てリハビリを受ける訪問型)

訪問(訪問型)リハビリは、医療保険や介護保険を使って訪問看護ステーション等から派遣されるセラピストに自宅等でリハビリをしてもらうサービスです。セラピストが自宅等に来てくれて1対1の個別リハビリを行ってくれるため入院中のリハビリと近いものになっております。

「リハビリ室では身体の動きが良くなったけど、生活が良くなっていない」というお声を聞くことがあります。これは、入院リハビリや外来リハビリで散見される問題で自宅環境とリハビリ環境が違うことで生じる問題です。

訪問リハビリでは普段から本人様が生活する環境を使い練習することができます。
このため訪問リハビリでは上記のような問題が生じず、日常生活が良い方向へ変わりやすい傾向にあります。

リハビリの結果がすぐに生活に反映される、というのはご自宅等でリハビリを受ける大きなメリットと言えます。

訪問リハビリも医療保険や介護保険を利用したサービスになり、保険が使えるので自己負担金額が安く抑えられます。

訪問リハビリでは、起きてさえいれば、着替えなくても、お化粧をされていなくても、リハビリを受けることができます。
このように外出の手間や大変さがない、というのは自宅でリハビリを受けるメリットと言えるでしょう。

一方で、デメリットもあります。
訪問リハビリの担当セラピストや、担当ケアマネジャーの意向にもよりますが、「身体機能や生活の維持」がリハビリの目的になることが多いです。訪問リハビリをすでに受けている人は、リハビリ実施計画書に目標が記載されていると思うので、一度読み返してみてください。 改善を期待していたのに、そもそも改善を目指したリハビリを受けられていなかった、というお声をよく耳にします。

最大のデメリットは外来リハビリと同様、利用上限が定められていることです。訪問リハビリは、1週間に120分が上限です。従って、1回あたり40分で週3回か、1回あたり60分で週2回になる場合が多いです。

自費リハビリ(お店によって通所型、訪問型等様々なリハビリタイプを選べる)

発症後6ヶ月を経過した脳卒中の状態を慢性期と言います。
この慢性期におけるリハビリでは適切な種類のリハビリ十分な量受けることが回復条件とされております。
リハビリは一括りにされがちですが、課題指向型訓練、CI療法、ミラーセラピー、電気刺激療法、運動イメージ療法、運動観察療法、トレッドミルトレーニング、体幹トレーニング、サーキットトレーニング、ボバース・コンセプト、認知神経リハビリテーション、PNFなど複数の種類があります。
なぜこのようにリハビリの種類がたくさんあるかというと、「何にでも効く」万能なリハビリがない為です。
「何をよくしたいのか」 「発症からどれくらい経過しているのか」 「後遺症の重症度はどれくらいか」 といった状況に合わせて、適切なリハビリが変わります。
このように、身体や生活の改善を目指す場合、受けるリハビリの種類が適切であることは大事な要素です。
自費リハビリでは経験豊富な腕の良い、自身の治療技術に自信のあるセラピストが集まりやすい為、セラピストの持つ治療の引き出しが多く適切なリハビリが受けやすくなります。
しかし、適切なリハビリをやれば何でもよくなるというわけではありません。
適切なリハビリを受けることに加え、適切な“量”のリハビリを受けることも大事な要素です。
なお、適切な“量”は多くの場合、1回あたり60分以上、週2~5回、1~3ヶ月程度であるとされています。
世界のリハビリ研究論文等を読んでみると、週2回以下のリハビリで慢性期の方の生活や身体機能が改善したといえるデータはとても少なく、ほとんどの研究が週3回以上のリハビリを推奨しております。
慢性期(生活期)の方の身体や生活をよくするためには、適切なリハビリを適切な量を受けることが望ましいということです。
保険適応でのリハビリでは制度上の上限が設けられており1回あたり60分以上、週2~5回のリハビリを受けることができません。
自費リハビリでは保険を一切使わないため、回数や時間の制限がなく必要な量のリハビリを受けることができます。
※外来リハビリや訪問リハビリに加えて自費リハビリを週1~2回追加することで比較的費用を抑えて適切なリハビリ量を確保することは可能です。
自費リハビリをうまく活用することで、適切なリハビリ量を確保し、身体や生活の改善を目指すことが可能になります。

一方、自費リハビリでは100%自己負担になり、本人様の費用負担が大きくなってしまうのが最大のデメリットです。

また、自費リハビリはここ5~6年で急速に増えており、他業界で事業を行っていた会社がリハビリ業界への進出をチャンスと見て参入してくるケースがあります。
もちろん全てではないですが、リハビリのことをよく知らず自費リハビリの店舗を出しているところがあり、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等のいわゆる“セラピスト”がいない施設もあります。
リハビリは単に運動をすればいいというものではなく、本人様の状態や目標などに合わせて一人一人に合わせたプログラムを組む必要があります。
上記のような理由から、当店ではリハビリは国家資格を持つセラピストが行っています。
ご利用される前にその施設のリハビリ担当者がどういう人なのかを確認することをお勧めします。

保険外(自費)リハビリは脳梗塞や脳出血(以下脳卒中とします)の後遺症で悩まれている方にとって、有効な選択肢の一つになります。

「脳卒中6ヶ月プラトー説」がありますが、「発症から6ヶ月以上経過するとよくならない」というのは誤解です。

世界的にみても、発症から6ヶ月以上経過した脳卒中の方に対し特定のリハビリを行うことで身体機能や生活が改善したという報告は山ほどあります。
この慢性期におけるリハビリでは適切な種類のリハビリ十分な量受けることが回復条件とされております。
受けるリハビリ次第で身体や生活が良くなる、というのは紛れもない事実です。

発症から6ヶ月以上経過した脳卒中の方でも身体や生活の改善は可能!
そのためには週2~5回の集中的なリハビリが必要!
保険適応内では制度上回数や時間などに上限があり集中的なリハビリができない!
自費リハビリでは保険を使用しないため回数や時間の制限を受けず、集中したリハビリができる!

退院後、身体や生活を改善させるために必要とされる”適切な種類のリハビリ、集中的なリハビリ”は自費リハビリでしか受けられないということです。

第3の選択肢として自費リハビリの検討を!!

長々とお話しさせていただきましたが、自費リハビリは費用面で問題があり、誰もが受けるのは難しいかもしれません。
しかしリハビリの量と質の問題から、外来リハビリや訪問リハビリだけでは身体や生活を改善させることが難しいのも事実です。
合わせ技にはなりますが、保険適応の外来リハビリや訪問リハビリに加えて自費リハビリを週1~2回追加することで比較的お安く適切なリハビリ量を確保することも可能です。
日本国内で慢性期(生活期)の脳卒中の方が保険内リハビリだけで身体や生活をよくするためのリハビリを受けることは制度上難しいという問題を抱えており、本来であれば改善できるはずの潜在能力をお持ちなのに、よくならないまま止まってしまっている人がいます。
自費リハビリをうまく活用することで、適切なリハビリ量を確保し、身体や生活の改善を目指すことが可能になります。
退院後にさらなる身体や生活の改善を目指される方、退院後のリハビリの選択肢に自費リハビリを加えてみてはいかがでしょうか!!